みなさんこんにちは

はる歯科診療室 歯科衛生士の森です。
今日は、「上唇小帯」についてお話しします

赤ちゃんや小さなお子さまの口元を見ると、
上唇の内側に筋のような突起が見えるのを
ご存知ですか?
これは「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」と呼ばれ、唇と上あごの歯ぐきをつなぐ筋状の組織と言われています。
この上唇小帯に異常があると、上の前歯のすき間(正中離開)や、発音障害、口腔清掃が困難など、さまざまな問題が生じることがあります

まず、上唇小帯とは何⁇
上唇小帯とは、上唇と歯ぐきをつなぐ細い筋状の組織のことです。
機能的役割としては、上唇の運動を助け、粘膜を固定する役割があります。
乳幼児期には比較的太く目立つことが多いですが、成長とともに自然に後退・薄くなっていくことが一般的です。

しかし、この小帯が太すぎたり、歯と歯の間にまで入り込んでいたりすると、歯並びや発音、毎日の口腔ケアに悪影響を及ぼす「上唇小帯異常」と診断されることがあります。
多くは、1歳半健診のときに指摘されることが
あります。
次のような状態や症状が見られる場合には上唇小帯の異常の可能性があります。
①上の前歯の歯と歯の間に隙間がある(正中離開)
②上唇を大きく上に持ち上げると、歯ぐきに食い込むような筋が見える
③歯磨きをする時に上唇を動かしたり前歯を磨く時に痛がる
④哺乳や咀嚼のしにくさが見られる(乳児期)
⑤サ行・タ行などの発音が不明瞭である(幼児〜学童期)
ですが、見た目に異常があったとしても必ずしもすぐに治療が必要というわけではなく、成長とともに改善していくケースもあるため、
歯科医師による診断や経過観察が大切です

上唇小帯の異常がある場合のリスクとしては、
*正中離開(上の前歯の歯と歯のすき間)
最も多いのは、永久歯が生えそろっても前歯にすき間が残るケースです。
上唇小帯が歯の歯の間にまで入り込んでいることで、前歯の萌出や移動を妨げてしまいます。
*歯列不正の原因になる
歯と歯のすき間だけでなく、前歯の位置異常や回転、唇と歯のバランスが悪くなることがあります。
*発音・会話の障害がある
上唇の動きが制限されるため、発音時の唇の使い方に影響が出てしまい、サ行・パ行・マ行などの音が不明瞭になることがあります。
*歯みがきの時に痛み・抵抗する
唇を持ち上げたときに小帯が引っ張られたり
歯ブラシが当たると痛みを感じることで、仕上げ磨きを嫌がる原因になることもあります。
このような状態だと治療が必要なのか、経過観察で大丈夫なのか不安になりますよね

すべての上唇小帯の目立ち方が「異常」というわけではありません


下記のようなケースだと、経過観察で問題ないことも多いです。
*乳歯の間にすき間があるだけで、永久歯がまだ生えていない。
*発音や咀嚼に特に問題が見られない。
*上唇の可動域が十分にあり、表情や日常生活に特に支障がない。
しかし、永久歯が生えそろっても正中離開が改善しない場合や、矯正治療に影響があると診断された場合には、外科的処置(小帯切除)が必要になることもあります。
歯科医院での診察や検査としては

①診査・診断
•小帯の太さや付着位置、動きや伸びなどを診察する。
•歯列の状態や発音、清掃状態への影響があるかどうかを確認する。
•必要に応じてレントゲン写真や口腔内写真を撮影する
②経過観察〔初期〕
•乳歯列期〜混合歯列期では、経過観察と日常生活での注意が基本になります。
•フロスや歯磨き時の痛みがあれば、なるべく痛みを軽減できるように指導する。
③小帯切除〔必要時〕
•正中離開の閉鎖を妨げる場合や矯正治療の妨げとなる場合に行う。
•局所麻酔下での簡単な外科手術(レーザーまたはメスで行う)
•通常は10〜15分程度の短時間で完了するので、個人差はありますが術後の腫れや痛みも少ない。
切除のタイミングは永久歯が生えそろう前後、
または矯正治療開始前後が適切とされます。
十分に歯磨きが出来ない状態だと、汚れが溜まってしまい虫歯や歯周炎の原因にもなります

お子さんの小帯の状態により、処置の方法や時期は様々で、決して同じではありません。
また診察したうえでなければ、対処法や処置の時期を申し上げることはできません。
はる歯科診療室では、お子さまの来院を歓迎しております

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もし、このような状態のお子さまがいましたら歯科医院で一度診てもらうことをおすすめします

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